「金融」について
「金融」という言葉は2つの意味があります。
1つはお金の流れという意味ともう1つはお金の貸し借りという意味に使われています。
このお金の貸し借りというのは、お金の余っているところから、お金の不足しているところへお金を「融通」するという事のことです。
この事を略して「金融」と言います。
そして、金融には直接金融と間接金融の2つが存在しています。
お金が必要な企業が株式や債券などを自ら発行して、購入してもらい直接資金を集める方法を直接金融と言います。
また、間接金融とは、お金が必要な企業が銀行などの金融機関からお金を借りて資金を調達する方法のことを言います。
この銀行から借りる資金は個人の銀行預金などを借りていることになるので、間接金融と言います。
私たちの暮らしはモノやサービスを交換していくという活動で成り立っていると言えますね。
モノやサービスを交換することにより、生産と消費、需要と供給という関係が成り立っていて、このような活動を「経済」と言います。
そして、このような交換取引は経済の基本と言え、この交換取引を支えて円滑にしているものが「お金」という事になります。
お金の始まりについては諸説ありますが、今回は、そのうちの1つを紹介しますね。
それでは、お金の始まりについて解説する前に、まず、お金がない時代の人たちはどのように暮らしていたのでしょうか?
私たちが生活をしていくのに必要なものはたくさんありますよね。
まず、食べ物や、着るもの、他には、洋服や家など、普段私たちが使用しているもはまだまだたくさんあると思います。
昔は、食べ物は狩りや漁をして手に入れていましたね。
着るものは、動物の毛皮などを利用するなどと、昔は何でも自分たちの手で手作りし何でも自力で得ていました。
まさに、自給自足の時代でそんな時代にもちろんお金など必要ありませんね。
では、どのようにしてお金は必要になってきたのでしょうか?
もちろん、お金は必要だったからできたのです。
もしお金がなかったらどうなるか考えてみましょう。
その場合は、物と物を交換しなければなりません。
例えば、お米を水に取りかえたいとします。
水を手に入れるためには、水をお米に取りかえてほしいと思っている人をさがす必要がありますね。
しかし、そんなぴったりの人を探すという事はなかなか大変です。
けれど、お金がない時代というのは、このように物と物を交換する方法しかありませんでした。
しかし、彼らも、それがとても不便だと感じるようになったのです。
その後、お金のかわりの物を使うようになっていきました。
例えば、中国ではきれいな貝が使用されていたと言われています。
もし、その貝を皆が欲しいと思う物だったならば、まず自分のものを一度貝に交換しておきます。
その後、貝を、ほかの自分のほしいものに交換していけばいいのです。
お金の始まりは、このような感じで、物々交換の不便さから来たと一般的には考えられています。
そして、その後、貝ではなく、きちんとしたお金が登場します。
しかし、これも一番最初がどんなものだったのかは、今から3000年以上も昔の話なので詳しくはわかっていません。
ただし、少なくとも今から2700年ほど前には、ギリシャでお金がつくられていたことだけははっきりしています。
現在ではこれが世界最初のお金とされていますが、もしかしたらもっと古いお金もあったかもしれません。
その後、そうした物に代わって、金属(金、銀、銅)が使われるようになりました。
その後、貨幣が用いられるようになったというわけです。
日本最古の貨幣は、「和同開珎」(わどうかいちん)です。
このような、紙幣が誕生したことによって手軽で、持ち運びしやすくなりました。
そして、お金は、人々の生活に必要なものを手に入れるための人々に共通の価値を与えた大事なものといえます。
さて、貨幣ができたことにより、人々は生活の為や、生活を豊かにするために、仕事に励みました。
もちろん、生活を豊かにするためです。
お金があることで、より豊かで便利な生活を送りたいという向上心が芽生えたのです。
物の流通が盛んになり、山に住んでいても、海の産物が手に入れたり、その反対の現象も起きました。
食品も衣類も何でも手作りだったのに、食品や衣類を扱う専門家、家を建てる専門家など、あらゆる職業が専門化され、より豊かで便利な社会へとどんどん進んでいきます。
こうした現象は、貨幣経済がもたらしたものとなり、人々のもっと豊かになりたいという欲望がもたらしたものです。
お金は、賭け事などの良くないと言われている一面も生み出しましたが、お金は、人々の生活をプラスに展開して促進させていく特質を持っていると言えますね。
また、このような生産と消費の循環活動は、人々が暮らしに必要なモノやサービスを交換することによって経済として成り立っています。
この経済を円滑にしているのが、お金というわけです。
経済は、モノやサービスを生産する企業、モノやサービスを消費する家計、公共サービスを提供する政府、の3つの部門に分けることができます。
家計(家庭)は、企業からモノやサービスを購入し、企業にお金を支払います。
企業は、そのお金で工場を建てたり、原材料を購入したり、従業員に給料を支払います。
そして、国や地方公共団体に税金を支払います。
企業から給料をもらった家計では、モノやサービスを購入し、税金を払い、残りを貯金にまわします。
すると再びモノやサービスを購入した家計から企業にお金が流れます。
一方、国や地方公共団体は、企業や家計から支払われた税金を、教育や福祉といった公共サービスにあて、道路や橋の建設等の公共事業に使います。
このように、経済活動は、お金を媒介してモノやサービスが交換されていく活動です。
このようにお金の流れを見ると、経済の活動状態を掴むことができます。
このような場所を超える取引のことが、金融の1つ目の意味である「お金の流れ」と言われています。
2つ目の意味である、「お金の貸し借り」という意味について解説します。
早速ですが、私たちの経済社会の中では、時々、お金が足りなくなることがあり、こんな時に、お金の貸し借りできれば、時間を越えた交換取引が可能になりますね。
その時、クレジットカードやローンなどを利用することで、今はお金がないけれど、後で支払うという取引が実現します。
このように、お金の余っているところから足りないところへ、一時的なお金の過不足を貸借で調整することによって、交換を円滑に進めることができるのです。
この時間を越えての交換取引の実現が、お金のもう1つの大きな役割です。
こうしたお金の役割から金融という言葉は、広義では「お金の流れ」、狭義では「お金の貸借」という意味で使われています。
そして、このようなことは経済活動を円滑にし、この2つが機能することで、経済活動を促進させていると言えます。
そのため、金融は、経済の潤滑油と呼ばれ、経済の発展には、金融という仕組みは欠かせないという事が言えますね。
普段、何気に使用している「金融」という言葉ですが、かなり奥が深いという事になりますね。
そして、お金は働いたら手に入れることができるものとして認識され「労働の証」で「幸せの基準」と考えられるようになりました。