保険とは・・・

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保険とは、偶然かつ突発的に発生する事故に対よって生じる財産上の損失に対して多数の人が保険料を出し合いその資金によって保険金を給付する制度です。

 

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保険の対象とされる事故には、交通事故、火災事故、死亡など様々なことがあり、生活の安定を崩すような事件、事故、災害などに対処するものです。

 

そのような保険関係の設定を目的とする契約を「保険契約」といい、保険契約の当事者として、保険契約者と言います。

 

また、当事者は保険料の支払義務を負う事になり、保険事故が発生した際の保険金を支払うものを保険者と言います。

 

保険法では、保険契約について「保険契約、共済契約その他いかなる名称であるかを問わず、当事者の一方が一定の事由が生じたことを条件として財産上の給付を行うことを約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の発生の可能性に応じたものとして保険料を支払うことを約する契約をいう。」と定義されています。

 

保険者として、保険の事業を行う会社を保険会社と言います。

 

そして、保険会社は、保険業法により、規制されています。

 

保険会社が定める保険料については、特定の人について、保険事故が発生するかどうかや、いつ保険事故が発生するかなどは、予測することができないため、多数の人について統計をとり、過去の経験や資料なども加味して、保険事故が発生する確率を算出しています。

 

そして、収支相等の原則というものがあり、保険会社が同じリスクを持つ保険契約者から集めた保険料の総額と、保険会社がその集団の中で支払う保険金の総額が同じでなくてはならないとされており、保険金に充当されなかった保険料は還付されるようになっています。

 

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保険の最初の仕組みは、交易時の荷物に対するもので、古代オリエント時代(紀元前3200年~紀元前200年)に今で言う「貿易保険」が最初の保険と言われています。

 

そして、病気やケガの保険は、16世紀にエリザベス女王が、ライバル「無敵艦隊」をもつスペインの海の覇権を崩そうと、「敵の船を捕まえてよい」ということをイギリスの船に与えました。

 

海賊には危険とケガ、病気がつきものだったため、エリザベス女王は、イギリスの海賊たちに「ケガをしたら保険金を払う」と公言し海賊は安心して、スペインの無敵艦隊を打ち破ることができ、世界はイギリスのものとなったようです。

 

そして、生命保険の原型は、中世ヨーロッパで始まったのではないかと、言われています。

 

その仕組みは、仕事がなくなって収入が途絶えた時や、亡くなった組合員の遺族にお金を融通するというものでした。

 

生命保険が、近代的な仕組みへ変化したのは、天文学者エドモンド・ハレー氏が、実際の統計に基づいて保険料を計算した「生命保険」を設計しました。

 

死亡率などを用いて保険料を集め、支払いも確実にできるようになったのです。

 

日本の生命保険は、江戸時代の長い鎖国を経て、明治時代が幕明けするころの1867年、福沢諭吉が著書の中でヨーロッパの『近代的保険制度』を紹介したことがきっかけとされています。

 

その後、保険業界の内部整備や、 日清戦争日露戦争で亡くなった多くの兵士の遺族に保険金が支払われたことによって、広く一般の理解を得ることができるようになったのです。

 

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保険の種類には、国や地方自治体などの政府が運営する「公営保険」と民間会社が運営する「私営保険」というものがあります。

 

私営保険は、民間の保険会社が販売・運営する保険のことで、主に生命保険と損害保険を扱います。

 

生命保険とは人の生死に関して一定額の保険金を支払う保険で、損害保険とは一定の偶然の事故によって生ずることのある損害填補の保険です。

 

日本で保険を販売する保険会社は、保険業法により、

 

・生命保険業免許を受けた生命保険会社

・損害保険業免許を受けた損害保険会社

・外国保険業者のうち内閣総理大臣の免許を受けた外国保険会社

 

に分けられています。

 

また、日本の保険会社には、営利を目的とする株式会社の形態をとる保険会社と、相互扶助(契約者に損益帰属)を目的とする相互会社の形態をとる保険会社があります。

 

ちなみに、それまでは、政府が運営を行っていた、「簡易生命保険」は公営保険の1つでしたが、2007年の民営化とともに、私営保険に分類されるようになりました。

 

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保険商品はおおまかに3つに分類されます。

 

・生命保険(第1分野)

 終身保険

 養老保険

 個人年金保険

 定期保険

 

と言うように分類され、生存保険だけでは存在することはなく、何らかの死亡保障が付属されます。

 

・損害保険(第2分野)

 

火災保険

住宅火災保険

住宅総合保険

地震保険

普通火災保険

店舗総合保険

団地保険

 

海上保険

 

自動車保険

自賠責保険

任意保険

 

所得補償保険

 

賠償責任保険

個人賠償責任保険

企業賠償責任保険

専門職業人賠償責任保険

瑕疵保証責任保険

船客傷害賠償責任保険

 

傷害保険

普通傷害保険

家族傷害保険

ファミリー交通傷害保険

国内旅行傷害保険

海外旅行傷害保険

ゴルファー保険

 

その他

動産総合保険

ヨット・モーターボート総合保険

コンピュータ総合保険

 

ペット保険

 

などに分類されます。

 

・傷害疾病定額保険(第3分野)

 

医療保険

がん保険

介護保険

 

に分類されます。

 

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保険会社は、保険業法の定めにより、生命保険会社と損害保険会社に分かれ、いずれも内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ行うことができない、とされています。

 

また、外国の保険会社は、日本に支店や支社を開設して内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ行うことができない、とされています。

 

それから、「保険契約者保護制度」というものがあり、保険会社が破綻した場合、保険契約を結んだ契約者を保護する名目で設けられています。

 

保険会社が破綻した場合、保険契約者保護機構が資金援助を担い、支払われるべき保険金や解約金などを契約者に支払うことになっています。

 

なお、外国企業の日本支店にて契約した保険も対象に含まれています。

 

最近では、長い名前の保険会社が増加してきていますが、それは、吸収や合併が増えてきているからです。

 

例えば、

 

損害保険ジャパン日本興亜

安田火災海上保険 + 日産火災海上保険 + 第一ライフ損害保険 + 大成火災海上保険損害保険ジャパン・フィナンシャルギャランティー+興亜火災海上保険日本火災海上保険 + 太陽火災海上保険

 

三井住友海上火災保険

大正海上火災保険→三井海上火災保険 + 住友海上火災保険。

 

というように名称変更や、合併が相次いでいます。

 

この事は、保険会社の増加による、経営難などが考えられています。

 

 

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日本での保険加入率はもちろん多いです。

 

生命保険においての世帯加入率は90%を超えていますし、自動車保険も10台中7台は保険に加入しているのが現状です。

 

このことは、リスクを恐れている日本人の特徴ともいえます。

 

しかし、保険に関する知識は、ほとんどの人が持っていません。

 

加入しておけば安心、みんな入っているからとりあえず入っておこうといった方がおおいです。

 

そして、保険は金融商品の1つになりますが、預金や債券などと異なり、保険は基本的に損をする商品となっています。

 

それは、保険が相互扶助の関係で成り立っていて、みんなで助け合い負担しあうという性質があるためです。

 

貯蓄系の商品もありますが、近年では、利率も悪くなってきていますし、昔ほど貯まるものは非常に少ないです。

 

つまり、保険は過剰にかける必要が無いという事考えられますね。